第4章 beginning
『さて、行きますか!』
私はそれぞれの離殿に挨拶を済ませた
『咲き誇れ、神無月』
私は神無月の能力を使い、階段を作る
それをゆっくり降りていく…つもりだった
再び麒麟寺天示郎に突き落とされた
『あいつ次会ったら訴える!!!』
それだけ決意し、落下を回避した
そして落ちる場所は安定の十二番隊
『…十二番隊…か』
「そこで何をしているのかネ」
後ろから話しかけてくるのは派手派手な男
派手って言うよりも変人かな
『これは失礼を。零番隊所属、水無月蝶と申します』
「ほう、何をしに降りてきたのかネ」
『仕事をしに来ただけよ』
「仕事などせずに私の下で研究材料として働く気はないかネ。」
『ありません。』
「ほう、高待遇を約束しようじゃないか。薬物投薬も一日に…『結構です』」
「…これ以上は無駄なようだ。あぁそうそう、これをお前に渡せと言われていてネ。」
そう言って涅は私に黒い服を投げてきた
『これ…』
「実験材料にならないと言うなら二度とこの敷地に立ち入らないでくれ給えヨ」
『……ありがとう…』
「ふん」
涅が隊舎へと戻って行く
ずっと、持ってたのか…
喜助はちゃんと渡しておいてくれたんだね
私が涅から受け取ったのは霊圧を完全に遮断する外套
て言うか、わざわざ持って来てくれたのか
『変な人』
十二番隊を後にし、一番隊隊舎へと向かう
ギィ…と門を開く
『久しぶりね、元柳斎』
「独断で現地に行ったと思えば負傷をし…霊王宮での任務に着くなど…心配をかけんでくれんか…」
『ごめん』
「…霊王宮で仕事をしておる間に隊舎は出来ておる。
サポートは…」
『要らないわ。サポートは…要らない。
どうせまた上に戻らないといけないと思うから』
「そうか…しばらくは下にいるんじゃな」
『いるわよ。各隊のサポートの前に…挨拶回りからかなぁ』
「その方が良いかもしれんな」
『そうよね、大分…メンバーも変わったようだし…』
少しの間、沈黙が続いた
「あの時、現地で何か見たか」
『いいえ、私が着いた頃には何も無かったわ。
もう少し早く到着してれば…良かったのかもね』
私はそれだけ言い残し、各隊の隊舎へと向かった