第4章 beginning
『元の姿に戻るなら…少しだけ遊んであげようかと思ったのになぁ』
「!!…ほんまに?!」
キラキラ目を輝かせるシキ
『少しだけね』
「うん!」
そう言うとシキは変化する
目の前にいるのは小さな男の子
黒髪で赤い瞳、何故かモフモフのしっぽが生えてる
とは言っても、めっちゃイケメン。
ちゃんと仮面も付けてるけど…イケメンの卵というか…はあ…
神無月に負けず劣らずのイケメン…
『あんたも将来有望ね…』
「で、何して遊ぶ?!」
『…うーん…何がいい?』
「えっとね、えっとね!!…何しよう…」
『ふふ、決まらない?』
「うん…」
ショボンとするシキ
ああ、可愛い。撫でまくりたい…
『なら、遊びたいこと、決まったら呼んで?
時間が取れれば来るわ』
「ほんま?!」
『うん。』
シキは見た目は子どもだ
元々、内なる虚ってやつを呼び覚ます事が目的で研究し始めた
で、いたのがこの子。中身はめっちゃ大人。なんなら爺さん
でも、子どもの姿だからなのか遊びたいらしい
一度だけ大人の姿を見せてもらったこともあったけど…それもまたイケメン
神無月がシキのことを嫌いな理由はそれ。
お互いイケメンで、私がイケメン好きだから
「遊びたい事、考えとくわ!
やから…また、遊びに来てな?」
『ん?』
気付けば、大人の姿のシキが目の前に立っていた
そしてあろう事か、私の頬にキスをした
『…?!シキ!!あんた…』
「構ってくれなかったからお返しっ!またね」
いつの間にか子どもの姿に戻ったシキは再び布団に潜っていた
どんだけ寝るんだ。
それから神無月の元へ戻ると…
「ねぇ、蝶、何で俺が怒ってるかわかる?」
『えっと…』
「……何でシキにキスされてんの」
『え、そこ?!』
「当たり前でしょ?!俺は蝶の斬魄刀で!
感情とか筒抜けなわけじゃん?!」
『うん』
「今なんか精神世界にいるから余計にわかる訳!で、頬とはいえ…キスされた時なんかもうゾワッてした…」
『あー…感覚繋がってたわけね…』
「そう。」
『…それはごめん?』
「…今回だけ許す…」