第4章 beginning
いつの間にか、もう朝だ
扉を入ってすぐの場所…いわゆる玄関でずっと座り込んでいた
ギィ…
扉の開く音がした
「霊圧を感じて来てみれば…おんし、急にどうした…」
『真名呼和尚…』
「下で何かあったか…」
『ええ。もうすぐ…その内容について発表されると思うわ…
…また…助けられなかった…』
「…今回の件、おんしが悪いのか?」
『たぶん…違…う…』
「ならば、抱え込み過ぎるな、斬魄刀が苦しんどる…」
『…あ…ごめ…ん……神無月…』
「…落ち着いたら…わしの離殿に来るとええ。待っとるぞ。
元柳斎には伝えておく」
真名呼和尚は自分の屋敷へと戻って行った
『神無月…』
私がそう呼ぶと、精神世界に引っ張られる
『…ずっと…雨?』
精神世界では雨が降っていた
「そうだよ。」
『ごめんね…』
「謝ることなんてない…君は……」
『神無月』
「何だい?」
『私、間違ってたのかなぁ…』
「…間違ってない。大丈夫…」
『でも、私の研究のせいで…っ』
また、涙が溢れ出す
雨も強まる
「君の研究は確かに、今回の事件に繋がっていたのかもしれない。
でも、君は研究内容も全て破棄したし、実験も死神や魂魄では行っていない。
今回の事件は…全て藍染惣右介が…」
『っ…でも、でも…っ』
「でも、じゃない。君のせいじゃない。」
『真子達を…助けられなかった…』
神無月が悲しそうな顔をする
「生きてるさ…浦原喜助に託したんだろ?」
『それでも…もう、尸魂界には…』
「君は…何のためにあの鍵を渡した?
浦原喜助や平子真子達を助けるためだろう?それなのに、なぜ信じない」
『それは…』
「信じてあげなよ。彼らは強い。絶対に死なないし、タダじゃ済ませない。そんな人達なんじゃない?」
『…うん…』
私が頷くと神無月が笑った
「なら、きっと大丈夫。尸魂界の誰もが彼らを敵として扱っても…君だけは味方でいてあげればいい。俺はそれに従うだけだ!」
『…っ…神無月…あり…がと…っ』
不思議と涙は溢れるのに、空は少しずつ晴れてくる
神無月に頭を撫でられながら、私は眠った