第4章 beginning
「…成程、やはり君は思った通りの男だ。
今夜此処へ来てくれてよかった。
退くよ、ギン、要。
ああそうだ。水無月さん、あなたももうそろそろ限界のはずだ。
せいぜい足掻くといい」
それだけ言い残して消えようとする三人
「!待…」
「お避け下され、浦原殿ォッ!!!」
「縛道の八十八!!飛竜激賊震天雷炮!!!!」
握菱鉄裁が縛道を使う
「縛道の八十一 断空」
それを藍染は防いだ
「………莫迦な…副隊長が…詠唱破棄した断空で私の鬼道を止めた…!?」
藍染の張った断空が割れる
そこに、藍染たちの姿は無かった
「申し訳無い…!逃してしまった様です…」
「鉄裁サン…彼は一体…」
『…はっ…限界?そんなもの無いわよ。』
「蝶サン?」
『喜助、後は任せても構わない?』
「え、ええ…ですが蝶サンも…その…」
『虚化のこと?…大丈夫よ。』
「……わかりました。後で…詳しくお話聞かせていただきますからね」
『…無事に…会えるといいわね。
そうだ。この鍵、渡しとくわ。』
私はポケットから鍵を取りだした
それを喜助に投げる
『現世にある私の家…あなたも一度来たことあるでしょ?そこの鍵よ。
好きに使いなさい』
「どういう…」
『無事を祈ってるわ』
私はそれだけ言い残し、その場を後にした
私が向かったのは霊王宮
そろそろかなと思ってたけど…正解だった
零番隊離殿
零番隊が一人一人に与えられる街
私は街は要りませんと伝えてある
だから、ただただ広い盆の上に大きな屋敷…盆に比べれば小さい屋敷があった
私は屋敷に入り、扉を閉め、その場に座り込んだ
急に涙が溢れ出す
『っ…ごめん…助けれなくてっ……真子っ…ひよ里…みんな……』
虚化を止められなかった
止めることも出来たかもしれないのに…
喜助ならできると信じてる…でも、
『この…ままじゃ…捕まっ…ちゃう…っ』
藍染の事だ、きっと手を回してる
喜助だけじゃない。きっと握菱さんも…
真子達はきっと…殉職扱い…いや、虚扱い…になる
『…でも……っ…もう……無理だよ…』
悔しい…藍染に先手を取られていたのが悔しい…