第4章 beginning
『それで?』
「あなたのお陰で、この研究も…ここまで来れましたよ」
『…それは、虚化の事を言いたいのかしら』
「やはり、期待通り…いや、それ以上かな?
その言葉を知っているということは、この研究を最初に始めたのはあなたで間違いないようだ」
『さぁ?どうでしょう』
「虚化の実験を始めたが…途中で放り出した…それは何故か?」
ニヤリと藍染が笑う
「それは、あなたにはここまで辿り着く…いいや、虚化の実験を死神や魂魄に試すことが出来なかったからでしょう?」
『不正解ね。逆よ、逆。この研究は完成させたわ。
その時に危険性もわかったし…この研究内容を破棄した…ハズだったんだけど?
どこから研究内容を知ったのかしら?』
「!それは教えませんよ。だが、完成させたと言うならわかるはずだ…この研究の素晴らしさが」
『わからないわ。…リスクを犯してまで私はこの研究には関わりたくないもの。』
「まぁいいでしょう…あなたにも虚化してもらうんですから。
でもその前に、平子隊長を放っておいて大丈夫ですか?そろそろのはずですよ?」
藍染がそう言うのと同時だった
真子の顔に虚の仮面が現れ始める
『真子…!』
変化は真子だけでは無かった
特務部隊のメンバーまでもが虚化し始める
『みんな…っ!』
「目に見える裏切りなど知れている。本当に恐ろしいのは目に見えぬ裏切りですよ。平子隊長。
さようなら、あなたたちは素晴らしい材料だった。」
藍染は真子に東仙はひよ里に斬りかかる
『真子!!ひよ里!!…お願い…やめて』
そんな声も虚しく、ひよ里が斬られる
でも、真子は
突如現れた喜助が藍染を止めた
「…ほう、これはまた…面白いお客様だ…
…何の御用ですか?浦原隊長、握菱大鬼道長」
『喜助…』
「あかんやん、見つかってもた」
「藍染……副隊長」
「はい」
「ここで何を?」
「何も。ご覧の通り、偶然にも戦闘で負傷した魂魄消失案件始末特務部隊の方々を発見し、救助を試みていただけのことです。」
「……何故嘘をつくんスか…?」
「嘘?副隊長が隊長を助けようとすることに何か問題が?」
「違う、ひっかかってるのはそこじゃない。
戦闘で負傷した?
これが負傷?嘘言っちゃいけない。
これは"虚化"だ」