第16章 reaper
「いいのか?休憩取らないで」
ついさっきまで隊長と戦ってたんだ、少しは…
『大丈夫よ。さ、かかってきな』
休憩は要らないらしい
「なら、いかせてもらうぜ!」
俺は木刀を振るった
だが、蝶さんはそれを軽々受け止める
『うん、基礎が出来てる。
しっかり鍛錬してるわね。』
「そうかい。褒めてもらってるところ悪ぃが…油断してると…」
『誰が油断してるって?』
カンっ
俺の持つ木刀が弾かれた
「なっ…」
『基礎が出来ていることはいい事だわ。もっともっと磨きなさい。
あとは…経験がちょっと足りないかな…。』
蝶さんは降ってきた木刀をキャッチし、俺に返してきた
落下点までコントロールしてたのかよ…
「まだまだって訳だ……ありがとうございました」
俺は礼をした
『うん、頑張ってね一角』
蝶side
『で、もう他にはいない?』
私がそう言うとシーンとした空気が流れた
『よし、なら私は帰るわ』
自分の隊舎に戻るべく、瞬歩を使いながら移動していた時だった
「相変わらず、強いなあ」
そんな声が聞こえた
『!?わっ…』
聞き覚えのある声に私は慌てて止まった
『な、何でいるのよ…ギン…』
止まった目の前にいたのは市丸ギンだった
「たまたま通りかかったんや。ま、更木隊長との戦いも遠くから観てたけどな。」
『…てか、現世観光は?もういいの?』
「大分観光できたわ。あ、お土産いる?」
『遠慮しとく。で、これからまた現世に行くつもり?』
「せやなあ…こっちおってもええ事ないしな。」
そう言ったギンの肩に真っ白な地獄蝶が止まる
『上手いことやってるみたいならいいわ』
「あ、そうそう。ボク現世で携帯買ったし、番号教えとくわ」
ギンが一枚の紙を渡してきた
『あ、そう…何かあったら連絡するわね』
「そしたら、また会おなー」
それだけ言って直ぐに穿界門を開き、現世へと行ってしまった
『え、用件それだけ??』
早くない?
そんな事を思いながら、私は再び自分の隊舎を目指した