第4章 beginning
「なりません」
『そ、じゃあ…独断で行くとしますか。』
「なっ…」
元柳斎がそう言った頃には蝶の姿は無かった
元柳斎は深くため息をついたそうだ
一方その頃、平子達特務部隊が現地に到着していた
「…真子…!」
猿柿ひよ里を間一髪のところで助けた平子真子
「アホか、なんで刀抜かへんねん」
「…アホか、抜けるわけないやろ」
二人の視線の先にいたのは虚のような姿をした六車拳西だった
「…拳西……!?」
平子は驚きを隠せないようだった
「真子!!大丈夫かひよ里!!」
少し遅れて到着した鳳橋楼十郎と愛川羅武が六車のその姿を見て驚く
「……け……拳西………!」
「どういう事だありゃあ…」
「ホントに拳西なのかい…
仮面も…霊圧も…まるで虚じゃないか…!」
「俺にもわからへんわ。ホンマに拳西なんか、違うんか…とにかく確かなんは刀抜かんと…死ぬゆうことや」
それと同時に六車が雄叫びを上げる
その瞬間、特務部隊は後ろへ下がろうとした
いや、下がったのだが…
「何…」
気付けば六車は愛川の背後へ回り込んでいた
そしてそのまま愛川は殴り飛ばされる
「ラヴっ!!」
鳳橋が咄嗟に声をかける
「うおおおおおお!!!
ふぅ〜…キクじゃねえの…
さすが拳西だぜ…」
咄嗟に愛川は刀で防ぎ、無傷では済まなかったもののダメージは少ないようだ
「あかん!!わかってんのか!?
相手、拳西やぞ!!
こんなん…っぐっ…げほッ…げほ…」
今までのダメージが大きく、咳き込む猿柿
「…黙っとけ、ひよ里。
俺らが止めなあかんねん。あいつが拳西なら…尚更のォ」
「そうだよヒヨリ、拳西が大事だからボクらで止めなきゃいけないんだ。」
「心配しんときゃあ、殺さんで止める方法なんか山程あるで」
そう言って鳳橋と矢胴丸は刀を構えた
「手足の腱きるよ、右半分あんたがやり。」
「オールライッ」
二人が同時に六車を斬りに行く…でも、その二人の背後に虚のような姿になった久南白がいた
「!後ろや!!ローズ!!!!」
その声も虚しく、鳳橋は久南による攻撃を避けることは出来なかった
「ローズ!!!」