第14章 rebellion
「卍解、出しましたね」
地面に着地して直ぐに恋次がそう言った
白哉は少し不思議そうな顔で千本桜の始解を解いていた
そんな様子を見た恋次も不思議そうな顔をして白哉に近付く
「隊長?どうかしましたか?」
「いや…」
「隊長…」
2人が不思議そうな顔をしている中、拍手が聞こえた
「やぁ〜、よかったよ。大健闘だねぇ。」
呑気に話す京楽が恋次達に近付く
そしていつの間に来ていたのか、浮竹も恋次達に近付いて行く
「阿散井副隊長、腕を上げたな」
「ありがとうございます。…隊長」
帰ろうとしていた白哉に恋次が声をかける
「今日はここまでだ」
「あ、ああ…はい。ありがとうございました。」
『白哉?』
「失礼する」
白哉はそう言うと帰ってしまった
「何かあったのかね。」
京楽が不思議そうな顔をしていた
『恋次』
「お、蝶か」
『ちょっと腕上げたわね』
「ちょっとかよ…」
『まあ、技を出すタイミングは良かったんじゃない?』
「!おう」
『ただ、まだまだ蛇尾丸の能力は引き出せてないかなあ…』
「蛇尾丸の…能力」
『ま、しっかりと対話して、お互いの心を通わせなさい』
「そうだな」
『じゃ、私は戻るわね』
恋次達に手を振り、私は屋外修練場を出た
そしてそのまま白哉を追う
『白哉』
呼び止めても止まる気配を見せない白哉
「何だ」
『手、大丈夫?』
私がそう言うと白哉が足を止めた
「!気付いていたのか」
『ええ。何、調子でも悪いの?』
「いや…」
『?』
「何でもない。」
『そう…。』
「仕事は良いのか」
『休暇中だから急ぎの仕事は無いわ。
急ぎのものは終わらせてある』
「それは休暇とは言わぬ。」
『それは同感ね。』
少しの間、無言が続いた
「…これにて失礼する。」
白哉はそう言うと瞬歩を使い、帰ってしまった
『千本桜が白哉を傷付けるなんて…考えられないのにな』
少し手を切った程度ではあったけど…白哉がコントロールを誤るとかは無いだろうし
不思議だな…
『ま、考えても仕方ないか』
私は自分の隊舎へと戻った