第13章 relaxation
霊王様に頼まれた事…
私以外に適任がいないのなら引き受けるしかない…でも
『私以外にもいるはず…』
まだ少し時間はあるって言ってたし…それまでに見つかるといいなあ
「おい…おい、蝶…」
『ん……?あれ?冬獅郎…?』
「起きたか。」
『あ…寝てた?』
「爆睡してたな。」
『ごめん』
「ハァ…総隊長がお呼びだ。行くぞ」
『へ?』
私は冬獅郎に手を握られ、引っ張られる
『ちょ、冬獅郎?』
「いいから早く来い。」
有無を言わせず…という感じだ
一番隊隊舎に向かうのかと思えば…まさかの八番隊隊舎に連れて来られた
『ねえ冬獅郎…何で八番隊隊舎…?』
「ここで総隊長が待ってんだよ。ほら、早く入れ」
門の前で入ることを躊躇うと冬獅郎に背中を押された
『わっ…』
「総隊長、水無月蝶をお連れしました」
「うむ、ご苦労」
『…え、何でこんなに人数が集まって…』
何故か隊長、副隊長、更に一部の隊士が集まっていた
「此度の戦い…お主がいなければ勝つことも厳しかったであろう。
それに加え、護廷十三隊ならびに現世側の人間の犠牲者、怪我人を0にした。その功績は大きい。
ここに集まった者達は其方に礼を言いたい者ばかりじゃ。しばし付きおうてやってくれんかの」
『えぇ?いや、私そんなに大した事してない…』
「ぺいっ!大人しく謝礼を受けんか!」
ええ、何で怒られてんの…
『わかったわよ…』
そう返事をしたのが間違いだったのだろうか
一人一人が私に謝礼の言葉を述べていく
まるで現世で言うサイン会や握手会のような状況だ
「あの、今回の戦いで命を救っていただきました!本当にありがとうございました!」
『あはは…どういたしまして…?』
「今回の戦いで惚れました!お付き合いしてくだs…」
ゴンッ
後ろから現れた砕蜂が今告白してきた隊士を殴った
そしてその隊士を引き摺って行く
その先には隊長達が待っていた
『恐ろし…』
そんな感じの謝礼がしばらく続いた
そしてようやく終わりが見えてきた
目の前にいるのは檜佐木副隊長と吉良副隊長だった