第13章 relaxation
『…そ、そうなんだ』
「ええ。青薔薇に包まれていたはずの市丸ギンは消えており、中からは松本副隊長以外発見できませんでした」
『そう…』
「彼の行方はご存知で?」
『知らないわ。彼は…藍染に』
「そうですね。松本副隊長もそう証言しています。」
『ギン…』
「彼は発見され次第、投獄される訳では無いそうです」
『?』
「藍染に一矢報いたこと、そして今までの行動が藍染を出し抜くためだったこと…それらが証明されるのであれば…」
『無罪…?』
「そうなります」
『なら、早く発見しないとダメね…』
「ええ…彼もまた藍染の被害者なのですから」
烈はそれだけ言い残して病室を後にした
心地よい風が窓から入ってくる
『…ギン』
「なんやの」
『さっきの話聞いてたんでしょう?』
私がそう言うとギンが窓から入ってきた
「聞いとった。」
『なら…』
「戻らんよ。」
『どうするのよ?』
「現世にでも行くかな」
『現世に…?』
「そうや。駐在任務の時に行きたいと思ったとこ全部行きたいし、それに、あと何年か…休暇残ってるんやろ?」
『!残ってるけど…』
「なら決まりや。学生はせんけど…命助けられたんも事実やし、味方したるわ」
『ギン…』
「そうそう、乱菊にもこのことは秘密やで。」
『わかってるわよ』
「そしたら、また現世で会おな」
バイバーイと言いながらギンが窓から出ていく
私はギンに真っ白な地獄蝶を飛ばした
『これなら、捕捉されることもないわ』
私が飛ばした地獄蝶は、現世にいた間に研究していたもの
誰にもバレないように現世と尸魂界を行き来できるように…
そして、誰にも見つからないように…
『まさか、ギンに渡す事になるとはね』
私が現世に戻るまでは…楽しく旅でもしてなさい、ギン
『っていうか、あいつ死覇装着てたわね』
まあ、死覇装姿の方がバレないだろうけど
『あ、お金渡すの忘れ…て?』
あれ?私の財布…
枕元に置かれていたのは私の財布
現世で使っていた財布だ
何でこれがここに…
『…!あいつ…!!』
[少しの間の旅費貰っていくなー]
一枚のメモが入っている
財布からは3万円が無くなっていた
『はぁ…何で私が渡そうとした金額当ててるのかしら…』