第11章 abduction
そのまま私は一護を残し、浦原商店へと帰る
『ごめん…一護…』
「蝶サン…?」
喜助が部屋に入ってきたようだ
『…喜助…』
「総隊長は…」
『あなたの考えている通りの決断をしたわ。』
「そうっスか…」
『明日の夜、一護が来るんでしょう?』
喜助が驚く
「あくまで予測っスけどね」
『来るわよ、一護は。』
「蝶サンはどうするんスか?」
『織姫を助けるに決まってるじゃない。私は、一護達の後に行くわ』
「後でいいんスか?」
『その方が…動きやすいもの』
「…まあ、そうっスね」
『黒腔の用意、お願いね』
「もちろんっス」
喜助はそう言うと私の部屋を後にした
そして次の日の夜
私は学校にも行かず自室で神無月との対話を終える
『神無月…よろしくね』
外から感じる霊圧…
どうやら一護が来たようだ
茶渡くんと石田くんが少し前に地下修行場に来ていたけど…
私は一護の霊圧を追うように地下修行場へ向かう
こっそりと岩陰に隠れようとした時だった
「蝶…?」
小さな声で呟かれた私の名前
『…え…たつ…き?それに…水色に啓吾まで…?』
たつきと水色、啓吾が別の岩陰に隠れていた
まさか、一護を追って?ってか、喜助は気付いてたわね…
店のカギが開いていたのはそういう事か
驚いている間に喜助が黒腔を開いたようだ
「…浦原さん、ウチの連中のこと頼んでいいか。」
一護がそう言った
「俺のこと心配しないように上手いこと言ってやって欲しいんだ。」
「…わかりました。…お友達には?」
「…あいつらには…帰ってから謝る。」
「…わかりました」
「行くぜ」
一護と石田くん、茶渡くんが黒腔に入っていく
「…だ、そうですよ。そろそろ出てきたらどっスか?」
喜助がそう言った
それと同時にたつき達が岩陰から顔を出す
「あの…いつから気付いてたんですか…?」
「ここへ来る前からっス。キミ達が黒崎サンを尾けて来てるって知ってたから、店のカギあけっ放しにしといたんスよ。
…やれやれ、黒崎サンも相変わらず甘いっスねえ。ちょっと冷たくあたったぐらいで、絆を断ち切って来たつもりでいるんだから。」