第11章 abduction
グリムジョーがルキアに虚閃を放とうとした時だった
突然衝撃波が飛んでくる
それはグリムジョーを狙っていた
「…やれやれ、ホンマは死神の戦いに手ェ出すんいややねんけどなァ…しゃアない。こんだけ近くでドンパチやられたら、シカトするワケにもいかんしなァ」
「…平子…」
グリムジョーに攻撃したのは平子のようだった
「…何だてめえ、こいつらの仲間か?」
「なんでやねん」
心底嫌そうな顔で平子が答える
「…じゃあ何だ」
「何でもええやろ」
「違いねえ。てめえが誰だろうが…てめえを殺すには関わり無えことだ!!!」
グリムジョーが平子に向かっていく
グリムジョーの攻撃を何度か躱した後、平子が虚化した
その実力差は圧倒的だった
グリムジョーが地面に叩きつけられる
「くそが…っ!
軋れ」
何も感じなかった
急に現れた破面がグリムジョーを止める
「…ウル…キオラ…!」
「任務完了だ。戻るぞ」
破面がそう言うと同時に反膜がグリムジョーと破面を囲った
「反膜…!!」
「…霊圧の名残りがある……どうやら、新たな力を手に入れたらしいな…。だが、その程度か。終わりだ。最早、貴様らに術は無い。太陽は既に、俺達の掌に沈んだ。」
そう言って、二人は消えた
俺はそのまま気を失った
織姫side
蝶ちゃんが目の前で倒れる
駄目だ…このままじゃ…
「私が…私があなたと行けば…蝶ちゃんは…」
「言葉は"はい"だと言ったはずだ。それ以外を喋れば殺すと」
「…はい…」
「この女は藍染様の獲物…俺は連れ帰る権利も殺す権利もない。」
「!じゃあ…」
「それ以上喋れば殺すぞ。…これを渡しておく。これを身につけている間、お前の周囲には特殊な霊膜が張られ、お前の存在は我々、破面にしか認識できなくなる。それと同時にお前は、物質を透過する能力を手に入れる。
身につけて放すな。」
「…はい…」
「12時間の猶予をやる。その間に一人にのみ、別れを告げることを許可する。但し、相手に気付かれればその時点で命令違反と見倣す。
刻限は0時。それまでに全てを片付けて指示した場所に来い。忘れるな、別れを告げていいのは一人だけだ…」