第11章 abduction
蝶side
『ねぇ、神無月…どうしよう』
「うーん…見張りがいるからね」
『だよねー…』
護廷十三隊や喜助、真子、一護…全員を信用していないわけじゃない
「それなら、全員倒したらええやん」
ヒョコっとシキが現れる
『シキ…そんなことしたら、私が殺されるわよ』
「何でや、気に食わんけど神無月の卍解だけでも充分倒せるやろ」
『…そうだけど…。』
「シキ、そんな事をしたら蝶が霊王に殺される」
『そうなのよ…。やっぱり、霊王様に会うしかないわよね…』
「そうだね」
「どうやって会うん?」
『それが問題なのよ…』
「なら、人形を使うかだね」
『すぐにバレるわよ…』
斬魄刀が使えないって王悦には直ぐにバレるだろうし…
「そしたら、オレが人形に入ろか?」
『いや、方言でバレるわよ』
「それなら、俺が入れば問題ないんじゃない?」
神無月がそう言った
『!確かに…能力だってほぼ同じようにできるものね…』
「でも、神無月無しにどうやって霊王宮まで行く気なん?」
「霊圧も消さないとだし、俺の力は使えないからね…」
『霊圧に関しては喜助に貰った外套があるわ…』
問題は霊王宮にどうやって乗り込むか…
「オレの力使えばええやん」
『シキの…能力…?』
「あれ、言ってなかったっけ?オレの能力って神無月にそっくりやねん。」
『ってことは…』
「神無月と同じように能力は使えるで」
『凄いじゃない…!初めて知ったわよ』
「元は俺の能力だけどね!」
神無月が怒っていた
『そうね。』
「で、精神世界にいるから時間の感覚無いかもしれないけど…もう五日経ってるからね。」
『え…五日…?』
「そう。だから、早く戻った方がいいよ」
『そうね。早く戻らないと…ダメね。』
私は二人にお礼を言い、精神世界から抜けた
そうか、このタイミングなら…
『形取れ、猪小槌』
小さな声で呟く
それと同時に私は外套を羽織った
目の前にいるのは私の人形
ただ、前回と違うのは斬魄刀の能力が使える事だ
『…頼むわよ、神無月』
「行ってらっしゃい、蝶」
私は神無月に見送られ、離殿を抜けた
『おいで、シキ!』