第11章 abduction
蝶side
喜助に霊圧制御装置を作ってもらったおかげで、霊力を元通り使えるようになった私は、真子達のいる倉庫へと向かう
その途中だった
私の目の前で地獄蝶が舞う
『…?…真名呼和尚から…?』
どうやら、真名呼和尚から呼び出しのようだ
流石に、従わないわけにはいかない
私は穿界門を開き、尸魂界に戻る
そしてそのまま霊王宮へと向かった
『真名呼和尚、急にどうしたのよ』
「おお、予想より早う来たな」
『そう?それで、用って何?』
「……おんしに、今回の戦いには参加することを禁ずる」
『は?ちょっと…待って…』
「状況はわかっておるが…おんしや儂ら零番隊の仕事は霊王様の守護。そして、今回の戦いの際は万が一の場合に備え霊王宮での守護任務におんしも当たってもらう」
『私は休暇中なのよ?何しようと自由じゃない…』
「だが、霊王様がそう決めたのだ」
『そんな…っ…霊王様の守護は今居る五人でも充分の筈じゃない!』
「…そうだが、儂らも今回ばかりはおんしを戦いに向かわせる訳にはいかん。」
そう言って真名呼和尚がこちらに歩いてくる
『どうして…』
「それは、おんしや儂らが王鍵を持っておるからじゃ」
『…!藍染の目的も聞いた…のね』
「そうだ。だからこそ、おんしを戦いに向かわせる訳にはいかんのだ」
『私が藍染にやられるとでも?』
「思わんさ。だが、念には念をということだ」
『そんな…でも、護廷十三隊の隊長格が三人欠けてる…そんな状況で…』
「知っておる。だからもしもの時のために儂らが霊王宮を守護する」
『私が戦いに出れば!!もしもなんて事…起こさせない…』
「そんな事…儂らもわかっとる。だが、霊王様の決定は…覆せん」
それは、私にだってわかる
特に零番隊にとって…霊王様の決定は絶対だ
『霊王様に会わせて』
「ならん」
『直談判するわ』
「ならん」
『どうして…』
私がそう言うと同時に後ろには零番隊の隊士である曳舟、麒麟寺、二枚屋、修多羅が揃っていた
「おんしを戦いに向かわせんために…しばらく見張りをつける。」