第10章 preparedness
『そうね…』
「…マジで酔ったんか…」
『…昨日くらいまでは平気だったんだけど…昨夜ぐらいから…なんでか上手く霊力使えないのよ…それで、対策が出来なくて…』
「そんな事あるんかいな…おーい、ハッチ来てくれ」
真子が鉢玄を呼んだ
「どうしたんデスか…?」
「何か調子悪いらしいわ。見たってくれんか」
「はいデス」
「どないや」
真子が鉢玄に聞いた
「フムウ……蝶サン、霊圧…上がりましたカ?」
『…?そう…?』
「恐らく、霊圧を無意識に抑え込んでいるのでショウ…それで自分の思うように霊力がコントロール出来ないのデハ…」
「確かに最近、霊圧上がっとったな…」
『全然気付かなかったわ…』
「限定霊印打たれて、霊圧上がったら元も子もないやないか」
『…確かに』
「無意識に抑えとるだけやったら、意識したら大丈夫なんちゃうか?」
「イエ…限定霊印を打たれているからこそ、コントロールが難しいのかト…」
「ならどうすんねん」
『限定解除して、限定霊印を打ち直す…って訳にもいかないか…』
「今の霊圧で隊長クラスに近いとなると…確かに他の霊やらに影響でてまうな…」
『…喜助に、霊圧を抑える道具を作ってもらう方がいいかな…』
「その方がいいと思いマス」
「せやな、そうしとき」
鉢玄と真子がそう言った
『なら、一旦帰るか…』
「一人で帰れるか?」
『歩いて帰るから大丈夫。』
「歩いてって…大分距離あるで?」
『大丈夫よ。もう酔いも収まったし、ゆっくり帰るから。』
「…気いつけて帰りや」
『もちろん』
私は倉庫に張られた結界を抜けた
ゆっくり浦原商店へと歩いて帰る
『ただいま』
浦原商店に入ると地下修行場の出入口が空きっぱなしだった
まだ、修行してるのね
今は夜中の3時
真子の所もそうだけど、昼間の空のペイントしてるから時間が分からなくなるんだよな…
そんなことを思いながら地下へ降りる
『喜助』
思ったよりも近くにいた喜助に声を掛ける
「お久しぶりっス。どうかしましたか?」
『ちょっと相談があるんだけど』
「?いいっスけど…」
私は霊圧を抑える道具を作って欲しいことを話した
「確かに…霊圧上がってますね…」