第10章 preparedness
「デスがやっぱりワタシも、アナタに戦うことは勧めまセン。ワタシと能力が似ているのなら、やっぱりアナタは戦いに向かない。相手が破面ともなれば尚更デス。それでもアナタは…戦いたいんデスか…?」
鉢玄が織姫にそう聞いた
確かに、織姫の能力は戦闘には向かない
攻撃手段も椿鬼に頼るしかない…でも、きっと織姫は…
「…はい、戦いたいです…!」
そう言った織姫は真っ直ぐ鉢玄を見ていた
「…それなら良いデス。アナタは未だ自分の能力を知り尽くしてはいナイ…戦う術は必ずありマス。よく心に留めておいて下サイ…。
大切なのは"どうあるべきか"ではなく、"どうありたいか"デス」
鉢玄は微笑んでいた
「はい!」
織姫もそれに答える
『織姫』
「蝶ちゃん…!」
『今から…ルキアと修行?』
「うん…!私、強くなるから…!」
『うん、頑張ってね』
私がそう言うと織姫がわたしの手を掴む
「私が蝶ちゃんを護れるくらい強くなるからね!!」
『それは、頼もしいなあ…。頑張れ、織姫』
「うん!」
織姫はそう言うと外へ向かう
結界を抜けたと同時に穿界門が開かれた気配がした
『…二人とも、頑張れ』
行ってらっしゃい、織姫
ルキア、良い友達ができて良かったね
『真子、私も特訓するわ!』
「は?」
『修行するから付き合って!』
「構へんけど…いきなりどうしてん?」
『織姫のこと見てたら私も頑張るしかないなって思ってね』
私がそう言うと真子が笑っていた
「そうか。やるからには本気やぞ」
『もちろん。』
それから二週間、私は真子達と実戦形式で修行に取り組んだ
「倒れろ、逆撫」
鉢玄の張った結界の中で真子が始解した
『咲き誇れ、神無月』
ぐにゃり
景色が歪む
「初めて戦った時はすぐに攻略されてもうたなあ…」
『そうね。』
「今回はそうはいかんで…」
『……やばい、吐きそう』
「はあ?!」
『酔った…』
私がそう言うと真子が能力を解いた
それと同時に私が座り込む
「大丈夫かいな」
『今揺らさないで…マジで吐く…』
真子は背中をさすってくれていた
「オマエ…前はすぐ能力破っとったもんなあ…」
真子がため息をつく