第10章 preparedness
『そうみたい。だから、時間ある時でいいから道具作れない…?』
「今からでもやりましょうか。阿散井サンと茶渡サンはテッサイさんも見てくれてますし。それに、アナタが戦えない方が困りますしね」
喜助はそう言うと恋次たちの元へ向かい、しばらくテッサイに任せることを伝えていた
『ごめんね、喜助』
「構いませんよ」
私と喜助は地下修行場を出ると、喜助の部屋に向かう
『相変わらず、見事ね…』
喜助の部屋は研究道具が大量にある
「そうっスか?とりあえず、今から作りますけど…三日ぐらいかかりますかね」
『三日で出来るの?』
「ええ。ただ、出来上がってもそれが蝶サンに合うか分からないんで、それからまた微調整をするとなると…一週間くらいっスかね」
『それでも充分早いわよ…助かるわ』
「それほどでも♪じゃ、早速取り掛かりますね」
喜助が作業を始めた
私は邪魔にならないよう、自室に向かった
窓を叩く音がした
「蝶」
『あ…冬獅郎』
窓を叩いたのは冬獅郎だった
私は窓を開ける
「久しぶりだな」
『そうね。二週間くらい会ってなかったものね』
「そうだな。」
『冬獅郎達は今、何の修行してるの?』
「ああ、斬魄刀との対話をメインにして…たまに実戦形式で戦うくらいだな」
『そうなんだ。順調?』
「あの面子で順調だと思うか?」
冬獅郎がため息をつく
『冬獅郎と一角ぐらいでしょ、まともに斬魄刀と対話するの』
「正解だ。松本と綾瀬川は斬魄刀と喧嘩ばっかりしやがる」
『ふふ、あの二人は斬魄刀と性格がそっくりみたいね』
私がそう言うと冬獅郎も笑っていた
「…そういやオマエ…霊圧上がったか?」
『みんな気付くわね…』
「そりゃ、気付くだろ…隊長格に近くなってるからな…」
『そんなに上がってるのね…』
「限定霊印打ってんだろ?」
『ええ。限定率は九割…の筈なんだけど』
「九割!?その霊圧で九割抑えられてるのは信じられねえな…」
『みんなそう言うのよ。』
九割抑えられてるって言ったら驚く人多すぎない?
「そりゃそうだろ…」
冬獅郎がそう言った時、冬獅郎の伝令神機が鳴った
『虚?』
「そうだ。俺が近いみたいだな」
『そっか、気をつけてね?』
「おう」
冬獅郎は虚の出現場所へ向った