第10章 preparedness
『一護…』
朝から一護の霊圧を探り、こっそり後をつける
昨日の様子からして、今日にでも真子の所に行くと思ったからだ
霊圧を消し、後を追うとある工場跡地に出た
『…こんなところに…』
思ってた以上に近くにいたらしい
一護を追うと奥にある倉庫のような場所に入って行った
そこには結界が張られていた
『ここ…か』
こっそり覗こうにも窓が割れていて覗きには向かない
うーん…霊圧を遮断する外套持ってくるべきだったなあ
なんて考えながらどうやって中に入るか悩む
すると、ただでさえ少ない窓が割れ、誰かが飛んできた
『え…』
「…っ、おま」
"え"を言う前に地面に落ちたのは平子真子だった
『…久しぶりね、真子』
「オマエ…えらい避けてくれてたな」
『…だって…あの夜…あなたたちを護れなかった…のに…』
「はあ?そんな理由か?」
『でも…私がもう少し早く…到着していれば…』
「そんなんオレらは誰一人として気にしてへんわ。」
真子がため息をつく
「むしろ、あの後オマエが無事やったんかの方が心配やったわ…ボケ」
『…っ…この通り…元気にしてるわよ…』
思わず涙が溢れる
「アホ、何で泣くねん」
『だって…ちゃんと…生きてて……くれたから…』
「あーもー、泣きなや…」
そう言いながら真子は私を抱きしめた
『…真子』
「何や」
『生きててくれて…ありがとう…』
「当たり前や…」
嬉しかった、生きててくれて
生きているのは知っていた。でも、百年前のあの光景が脳裏に浮かぶ度に死んだのではないかという考えがよぎっていた
でも、こうしてちゃんと会えて…良かった
学校では避けてしまったけど、こうして真子と向き合えた
それが…とても嬉しかった
真子は私が泣き止むまで抱きしめながら背中をさすってくれていた
『…ありがとう…情けないところ見せてごめん』
「構へん…むしろ、そんな一面もあるんやな」
ニヤリと笑う真子
『バーカ!!』
「な!人が親切にしたったのにバカは無いやろ!!」
『…バカよ。』
「オマエなあ……それより…何でここに来たんや」
真子が真剣な表情で私に聞いてきた