第3章 秘密
狭い車内
お互いの声と卑猥な水音だけが響いて
汗ばんだ肌に、彼女の長い髪が貼り付く
開かれたシャツに、顔を埋め
尖りに舌を絡めながら、いくつものキスが落とされて
対向車が来る度に、
白い肌に浮き出た赤い口紅が、ヤらしく映って見えた
「は…あ…、ぁ…」
「気持ちいい?」
慣れた手付きで、
寛いだズボンの隙間に掌を這わせてる
中心に集まる熱が、
身体中どうしようもない欲に変わって
早くどうにかしたくて
気付けば、センセにするみたいに
刺激を与えてくれる掌を、押さえ付けてた
「もっと?(笑)
…じゃ、もっと気持ちよくしてアゲル」
シートを倒し、
俺の下半身に顔を埋めて、既に勃ち上がってるそこを、口内に含んだ
センセのするのとは、ちょっと違う
だけど、与えられる快感に、自然と疼く後方…
知らずのうちに浮かした腰に、彼女が押さえるように体重をかけた
「もう限界でしょ?」
スカートを捲り上げ、
ストッキングを自ら降ろすのを、黙って見てた
そして、クイッと開けたショーツの隙間から、熟れたオレ自身を宛がう
「ぁ…ああっ!…はっ」
口内とは比べられない熱量
纏うように包まれる感覚
「あ……っん……はぁ……」
上に乗った彼女が、全て飲み込むと自ら動いて、
イイトコを探るように、腰を回してる
主導権を握られてる、本来オスの持つプライドのせいか、
彼女の腰を掴み、下から突き上げた
律動に合わせて、
喘ぐ声が車内に一際大きく響く
イレル、側のいつもと違う感覚
ホントなら、コレが普通の感覚なんだ
達してしまいそうなのを、
動きを弛め、息を整えた
「……上手じゃない。
潤に教えて貰ってるだけあるわねぇ」
押さえつけた俺の腕に、掌を這わせ、指を絡める
「センセ…はっ、
かん…け…ないっ…」
彼女をシート側に引き寄せ
上下を逆転させると、再度、動きを速めた
罪なのか
裏切りなのか
頭ん中が沸騰したみたいにグチャグチャで
欲だけに満たされ、
気持ちのない身体だけの行為をさ
どこか、冷めた目で体感してて
それでも、センセが傷付くことより
嫉妬で繋ぎ止められんじゃないかって、
浅はかなコト、考えてた