第1章 相変わらずな俺ら
コイゴコロ
見覚えある後ろ姿に、嫌な予感がして
その場を立ち去ろうとした時には、もう遅かった
「あれぇ?松本センセじゃない?」
特徴ある声に呼び止められ、
振り返った先には、太陽みたいな満面の笑顔
見間違いなんかじゃない、思った通りの人物に、
俺もとりあえず笑顔を向ける
「……久しぶりだな」
「うわうわ!やっぱセンセだった!
こんなとこで会うなんてスゴくない!?」
都心から離れたショッピングモールで
まさか知り合いに会うとは……
それも、よりによってコイツだなんて、ねぇ
「センセも買い物?」
「お前もか?」
「そう。…えっと、…買い物したいって言うからさ?
ドライブがてら、ココまで来たの」
「そうか」
相変わらず、例の幼なじみと仲良くやってんだな
……って、今は彼女か
「センセはひとり?
そんなワケないか!デート?彼女も一緒?」
俺の周りをキョロキョロ見ながら、
興味津々に声を弾ませる
「いや…まぁ」
「わ~興味あるんだけど!
センセって、学校でも超モテてたでしょ。
あ~!こんなとこにいるって、彼女ってまさか!?」
内心、ギクリとしながらも
感付かれないよう、"あはは"と笑って誤魔化した