• テキストサイズ

裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第12章 山の国 Ⅳ


ゼロを援護するように兵士達と戦っていた山姥切だったが、ふと違和感に気付く。

「ゼロっ!」

「なんだ?」

「審神者の気配なんだが、ゼロ以外に感じない。この要塞にフォウは本当にいるのか?」

「はぁぁっ?」

思いもよらなかった言葉に、ゼロが顔をしかめる。
すると、ゼロ達に向けて大砲が撃ち込まれた。

「殺せっ!ゼロを殺せっ!」

「次から次へと……」

「伝令!フォウ様の退却を確認しました」

「よし、ここで食い止めるぞっ!」

一際大きい大砲が要塞の壁面から現れると、大口径砲がゼロ達に向けられ、容赦なく撃ち込まれる。

「裏切り者の審神者に死を!」

大口径砲の他、兵士の合図でギガースが数体、ゼロ達がいる広場へと現れる。

「ゼロ、これは……」

「どうやら私達は、フォウにハメられたらしいな」

ゼロは大口径砲に向かって跳躍すると、砲台を守る兵士達を薙ぎ倒す。
山姥切達は、ゼロを援護するようにギガースに斬りかかっていった。
だが、倒しても倒しても、ギガースが絶え間無く広場へと現れる。

「これだけ戦ってフォウがいないって、あり得ないだろ?騙しやがって!」

「ゼロ、フォウがいないならこれ以上戦うのは……」

これ以上は、体力を消耗するだけだ。
山姥切は撤退を促そうとするが、ゼロはそれを聞き入れるつもりはないらしい。

「うるさいっ!ここまで面倒臭い目に遭わされて、腹が立たない方がおかしいだろ」

「おお怖い、ゼロは怖いなあ」

「まとめて片付けてやる……」

ゼロは血ふりをすると、愛刀を鞘に収めた。

「あーあ、ゼロが本気で怒っちゃった。知ーらないっと」

一呼吸おくと、右手を空にかざす。
すると、上空に光が満ちていった。

「第五の力、古の威光。神罰が彩る断罪の槍……」

上空に満ちた光は、やがて無数の黄金の槍へと変わる。
その光景は、先の戦闘でファイブが使った審神者の力と同じもの。

ファイブを殺して得た力、断罪の槍。
太古の昔、神罰と恐れられていた雷を模した、光の槍だ。
審神者はこれを操ることで、無数の敵を一掃することができる。

/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp