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裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第16章 飛空艇 Ⅱ※※


「こら、そうやってすぐ目を閉じるな。私を見るんだ」

頬を掬い上げられ、ゼロの顔を見れば、彼女の瞳と視線がぶつかる。
熱を孕んだ、赤い瞳。
普段の彼女とは違う、感情を含んだ瞳。
この目を見ると、心臓が早鐘を打つ。
どうして、こんな風になってしまうのだろう。

以前、歌仙が言っていた言葉を思い出す。
「相手の何気ない一言で喜んだり、悲しんだり。相手を想うだけで、胸が苦しくなる。それが好きという感情だと思う」
そう言っていた。
この胸の高鳴りが、苦しさが、恋だと言うのだろうか。

いや、違う。
快楽に身体が反応してどきどきしているだけだ。
恋仲の男女がするような行為をしているから、そう錯覚してしまっているだけだ。

そうでなければ、苦しい。
山姥切はゼロの刀剣男士ではない。
たとえ彼女に恋しても、彼女が望まない限り、いつか別れが訪れる。
彼女が目的を果たした時、その日が来るのだろう。

「傷、全部消えたな」

その言葉に、山姥切ははっとした。
ゼロがこんな風に触れてくるのも、あくまで戦力の一つである山姥切の手入れとして、触れているだけ。
彼女は、山姥切を自らの刀剣男士にするつもりなど、ないのだから。

そう自らに言い聞かせ。山姥切はゼロとの行為に感情を込めないようにする。
頭の中で鳴る紋付鈴の音も、幻聴だと。
彼女の刀剣男士になりたい気持ちなど、微塵もない。
そう、言い聞かせた。


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