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裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第12章 山の国 Ⅳ


あっという間にゼロは兵士に囲まれ、兵士達はゼロを次々に罵倒しながら武器を向ける。

「裏切り者の審神者を殺せっ!!」

ゼロはどこに行っても、裏切り者だと蔑まれる。
けれど、彼女は顔色一つ変えない。
山姥切は罵倒されるゼロの横顔を見ていると、目が合った。

「……野良猫、歌仙、適当にその辺を薙ぎ払ってこい」

「えっ、適当!?」

「好きなように、好きなだけ倒してこい」

ゼロの言葉に、山姥切と歌仙は困惑した。
好きなように、好きなだけ、とは。
好きで戦っているわけではないのだが。
そう二振りは思ったが、ゼロはそんな二振りの思いなど汲んではくれない。

「さあて、一番良い働きをするのは誰かな?やっぱり一番は……加州清光かな」

「俺、期待されてる?なら、本気出しちゃうよっ」

ウキウキし始める加州とは違い、ふいに順列をつけられた歌仙は不服そうな顔をした。

「言うねゼロ、之定の名は伊達じゃないってこと、思い知らせてあげるよ」

「期待してるよ」

歌仙は抜刀すると、悠然と兵士の群れへと切り掛かっていく。

「…………」

歌仙はいいように乗せられたな。
山姥切は歌仙の背中を見送ると、自分も同じく刀を抜いた。

気付けば数多の兵士に囲まれ、無数の刃が山姥切を狙っていた。

「嫌な空気だな……参る!」

厳しい眼差しを向けると、山姥切は目の前の兵へと迫った。
打ち下ろされる刀を弾き、次の斬撃がきても、素早く体を横にしてかわす。

「斬るっ!」

次々と山姥切は兵を薙ぎ倒していき、その様子を横目で見ていたゼロは満足そうに笑った。

「ゼロ、嬉しそうだね」

「どうかな」

「ゼロっ!フォウ様のために死ねっ!」

ゼロが清光と話していると、彼女の背後から兵士が斬りかかる。
だが、ゼロは一瞬の速さで横に回ると、この一撃を難なくかわした。

「ふっ……ここで一番強いのは、私だな。やっぱり」

ゼロは勝気な笑みを浮かべると、刀を横に振るって兵士に脇腹を斬り倒した。

「一番はゼロ、ま、そうかもねー」

ゼロの周りに出来た血溜まりと倒れた兵士達を見て、清光は呟いた。

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