第11章 山の国 Ⅲ※※
山姥切は右手を伸ばすと、目の前にあるゼロの乳房に触れる。
決して大きいとは言えないが、手に収まるくらいが丁度いい。
「お前の……せいだ」
山姥切が腰の動きに合わせて胸を揉み上げると、雄芯を包むゼロの膣内がキュッと絞まった。
「あ、んんっ、お前……ずるいな」
互いに快楽に溺れ、二人の動きはやがてひとつに重なり合っていく。
ベッドがきしみ、淫蜜が交じり合う音と、嬌声が室内に響く。
「んぁっ……もう、あぁぁっ」
ビクンとゼロの体が跳ね、ナカがビクビクと収縮する。
その感覚が山姥切の昂りを絶頂へと追いやった。
ぱんと何かが弾けたように、強烈な快感が山姥切の全身に一気に広がる。
一人でするときとは全く違う、身体中を駆ける、強い愉悦の渦。
「……ゼロ」
掠れた声でゼロを呼び、手を伸ばす。
すると、彼女は山姥切の手をとった。
「痛いところ、治ったか?」
あんなに鮮明だった痛みは、いつのまにかなくなっていた。
今感じるのは、ゼロの心地よい肌の温もりだけ。
ゼロは山姥切の手の甲に口付ける。
「今夜はもう寝て、しばらくゆっくり休んだほうがいい」
普段の声色と違い、優しく落ち着いた物言いだった。
こうも違うと、調子が狂う。
山姥切はどう返せばいいかわからず黙り込むと、ゼロはまだ山姥切の具合が良くないと思ってしまった。
「まだ、痛むのか?」
ゼロは握っていた山姥切の手を、彼の胸の上に置く。
そして、優しく山姥切の頭を撫でた。
「…………」
その手が気持ち良かったせいか、酷く疲れていたからか。
山姥切はゼロに頭を撫でられながら、眠りについた。