第11章 山の国 Ⅲ※※
屋敷につき、ゼロ達は使える部屋を探す。
幸い、どの部屋も古びて朽ちていることもなく、倉庫には食べ物も備蓄されていた。
ゼロは室内にあった暖炉に火をつけると、山姥切の濡れた衣服を脱がしていく。
「……痛い、だろうな」
指先や足先など、体の末端は凍傷がひどい。
ゼロはそれらを優しく撫でると、山姥切の体を毛布で包み、冷えた体を温める。
ゼロは脱がした衣服を乾かそうと、床に投げ捨てた衣服を拾い上げた。
すると、チリんと音を立てて何かが床に落ちる。
「…………」
ゼロが訝しげに床を見ると、視線の先で転がっていたのは、紋付鈴。
山姥切国広のものだ。
ゼロはそれを拾うと、じっと見つめる。
ゼロが紋付鈴を握りしめ、再び手のひらを広げると、鈴は指輪へと形を変えていた。
その光景に、山姥切は息を呑む。
紋付鈴が指輪となった。
それは、つまり。
だがゼロは指輪を何秒か見つめた後、それをテーブルの上にコトンと置く。
山姥切は、ふっと鼻で笑った。
一体、何を期待したのだろう、と。
ゼロは振り返ると、着物の帯に手をかける。
シュッと帯を解き、襟を掴んで上衣を脱いだ。
「なっ!?な、に……なにをっ」
困惑する山姥切を前に、ゼロはギシッと音を立ててベッドにのり、横たわる山姥切に触れた。
「優しくする。だから大人しく、私に抱かれろ……山姥切」
そう言って山姥切を見下ろすゼロの瞳は、燃えるように赤い。
その瞳で見つめられ、名を呼ばれ、山姥切は心を大きく揺さぶられた。
「ゼロ……っ」
ゼロは山姥切を見ながら一枚一枚衣服を脱ぎ、肌を晒す。
彼女の肌が露わになり、二つの膨らみが山姥切の視界に入る。
山姥切はその煽情的な光景に顔を赤らめた。
「可愛らしい反応をするんだな……お前は」
ゼロはふっと笑うと、山姥切の体のラインに沿って指を滑らせ、下腹部へと手を這わせた。
熱く、硬く張り詰めた山姥切の昂りを、ゼロはそっと握る。