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裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第8章 借りを返しに


「こ、これが……審神者……?」

再びファイブを見ると、血だらけになってはいるが、その体は傷一つ負ってはいなかった。
これが審神者の力、ときわたり。
時間を操り、瞬時に傷を回復させる力。

ファイブは勝ち誇った笑みでゼロ見ると、再び槍を手にし構えた。
また、稲妻のような突きがくる。
そうゼロが身構えた瞬間、彼女の顔に血が飛び散った。

「ぁ……あ、そん……な」

ゼロは目に血が入り、とっさに目を閉じる。
次に目を開けた時、目の前にいたファイブの胸元から金色の刃が突き出ていた。

ファイブは血汐を撒き散らし、胸を刀で貫かれていた。

「…………」

ファイブの体を貫いたのは、彼女の近侍の歌仙だった。

「主……醜く生き足掻くのは、雅じゃないよ」

体を貫いた刀を引くと、ファイブは後ろへと崩れ落ちる。
血溜まりに体が倒れ、ぐちゅりと音を立てた。

「日に日に強欲になっていく貴女を見るのはツラかった、ツラかったよ。奥ゆかしい少女だった貴女が、淫売な雌に成り果てていく様を、もう見ていたくはなかった……」

血に染まっていくファイブを前に、歌仙はほろほろと涙を流した。

「僕の理解者だった頃もあったのに、もう…………おや?」

ふと、歌仙は口元に手を当て、首を傾げた。

「僕の主は、なんて名前だった、かな……」

つい先程まで仕えていたというのに、歌仙は本当に思い出せないかのようだった。
その姿を、ゼロはただ黙って見ているだけだった。

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