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裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第8章 借りを返しに


「どうした野良猫、息が上がってるぞ?まったくだらしのない」

「お前みたいな体力馬鹿と比べるな!」

「あ?なんだって?全く聞こえないな……もういっぺん言ってごらんなさい。あぁ?」

ゼロは眉をひそめ、力一杯に山姥切の腕を掴む。

「痛っ、痛っ、痛っ!爪を食い込ませるなっ!!」

「煩い。大人しくしてろ」

掴んでいた腕を引き、ゼロは山姥切に体を寄せる。

「な……っ」

山姥切は息を呑んだ。
ゼロは空いている左手で山姥切の顔に手を添えると、背伸びして山姥切の耳を甘噛みした。
山姥切はその一瞬で血が滾るような激情に駆られ、体が熱くなるのを感じた。

「ふっ……感じたのか?」

耳元で囁かれ、山姥切は体をびくんと震わせた。
急に何故、何の嫌がらせなのか。
山姥切はそう言おうとしたが、動揺したせいで上手く言葉が出てこない。
その様子にゼロは満足そうに笑うと、再びファイブの方へ斬りかかっていく。

「アイツ……っ」

ゼロに噛まれた左耳が、熱を帯びているのがわかる。
戦いの最中になんて事をするのだろうかと、山姥切は理解に苦しむ。
だが、先程まで感じていた腕の重さや、擦り傷すら消えていることに気付き、山姥切は舌打ちした。

「別のやり方はないのか……」

これがゼロの優しさなら、正直身が持たない。
山姥切は耳に触れると、雑念を振り払うように再び刀を構えた。

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