• テキストサイズ

裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第8章 借りを返しに


「ねぇゼロ、山姥切としたの?」

「いーや、何も。ちょっと首筋を触ったぐらいだ。ちょっと……な」

ゼロは頭を掻く。
実は山姥切が童貞で、はじめては心構えが必要とか言い出して、しかも狼狽えた山姥切が転んで頭強打して、意識不明になったから、何も出来ませんでした。
こっちはヤル気満々だったからすごくムカついて、嫌がらせのと傷を治すのを兼ねて、首に吸い付いて跡つけまくりました。
そんなこと、加州に言いたくはない。

加州はあまり追求しないだろうが、もしこれ以上聞かれたら返答に困る。
だから、ゼロは大雑把に言うことに留めた。
確かに、最後までしていないし、ちょっと触ったぐらいなのは事実だから、嘘はついていない。

「……さて、さっさと行くか」

「ぁ、ああ……それで、これからどうするんだ?」

ゼロはさっさと話しを切り上げてしまおうと、違う話題にすり替えようとした。
山姥切も話題を変えたかったのは同様で、昨夜のことはそれ以上聞こうともしなかった。
これで、加州も深くは聞いてこないだろう。

「この世界の審神者を皆殺しにする」

「審神者を殺してどうする?」

「……食う」

「えっ!?」

「冗談だ。妹達を殺せば、審神者の力が全て私のものになる」

審神者はこの世界に平和をもたらした存在だ。
その審神者を殺す。
ゼロが一体何がしたいのか、山姥切には到底理解出来ない。

「審神者達は皆、お前の妹なんだろ?その、せめて話し合うぐらいは……」

「無理」

「…………」

「私はこの世界でたった一人の審神者になりたいんだ。簡単な話だろ」

山姥切は眉間に皺を寄せた。
話が大雑把すぎる。全然、簡単な話ではない。
もう少し、具体的に話しをして欲しい。
だが、ゼロは詳細に話しをしてくれそうにはなかった。

「いや……難しい。俺には、理解出来そうもない」

「……今は、理解できなくていい」

ゼロは、話は終わりだと言うかのように山姥切に背を向けた。
今は、というゼロの言葉に、山姥切の心臓がはねる。
理解出来るその日まで、一緒にいろ。
そう、言われたような気がした。
/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp