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裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第7章 海の国※


さら、と頭を撫でられたような気がした。
ヒンヤリと冷たいけれど、優しい手。
もっと触れて、ほしい。
だけど、いつかいなくなってしまうんだろう。

うっすらと目を開けると、部屋の中に朝陽が差し込んでいた。
そこには、誰の姿もない。

「ん……っ」

伸びをしようと身動ぐと、体の違和感に気付く。
そういえば、どこも痛まない。
寝ぼけていた頭が一気に冷静になり、山姥切は慌てて起き上がった。

昨夜のことを思い出し、山姥切は顔を真っ赤にする。
ゼロが昨夜言っていた、手入れ。
審神者と触れ合えば、傷は治るという。
ゼロに口付けされ、体に触れられて、それから。
思い出すと、ますます恥ずかしくなる。

ゼロの体に触れ、柔らかい感触に体が熱くなっていくのを感じた後、そのあとは。
途中から何があったのか思い出せないが、今まさに傷がなおっているのだ。

まさか。昨夜、もしかして。
山姥切は恐る恐る、自分の状態を確認した。

「服は、着て……る」

衣服は多少乱れてはいるが、きちんと身につけている。
下穿きも、履いている。
慎重にそれらを確認すると、ふっとため息を漏らす。
きっと、何もなかったのだ。たぶん。
山姥切はタオルと手に取ると、顔を洗おうと部屋を後にした。

「……っ!」

それを見つけたのは、鏡に映る自分の姿を見た時だ。
顔を洗い、ふと鏡を見ると首筋に何かがあった。

「……なんだ?」

じっと見ると、小さな、赤い痕があった。
痛くも痒くもないが、赤くなっている。
そこは、昨夜ゼロに唇で触れられた場所。

首筋から鎖骨まで至るところに散る赤い痕は、まるでゼロの口付けの痕跡のようだった。
彼女の柔らかい唇、熱い舌が鎖骨を舐める感触、それらを思い出し、山姥切は下腹部が熱くなるのを感じた。

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