第14章 飛空艇 Ⅰ※※
「本当は、めちゃくちゃにしてやりたいって……清廉で、無垢なフォウを……汚したかったんだろう?」
「……っ」
一期一振は息を呑んだ。
だが、すぐに頭を左右に振る。
それでもゼロは言葉を続けた。
「嫌がろうが、泣こうが、酷いことたくさんして、快楽に堕としてやりたかったんだろう?」
「……っ!?ち、違い……」
「違わないよ。ほら……君のここ、こっちは……そうは言ってないみたいだよ」
目隠しされている一期一振には、自分のそこがどうなっているのか、見えない。
けれど、わかる。
気付かぬうちにそこは熱を帯び、悦を求めるように硬くなっていた。
「……っ!?」
ゼロは一期一振の下半身に手を伸ばすと、大きく布地を押し上げているそこを指先でツンとつく。
「ん……っ!」
「これは……何でだろうね?」
フォウには反応しなかったというのに、何故。
ゼロはベルトに手を掛け、ジッパーをゆっくりと下げていく。
「本音を言い当てられたから、かな?」
「違うっ!違いますっ!そんなはず……っ」
一期一振は顔を赤くしながら、首を左右に振る。
だが、外気にさらされた一期一振の熱は存在を主張するように、グンと反り返っていた。
「嘘は良くないよ……。嘘つきには、お仕置きが必要だと思わないか?」
ゼロの言葉に、思考がついていかない。
だが、一期一振の昂りはドクドクと脈打つように一層大きくなる。
「優等生で真面目なお前には、妄想通りフォウを犯すことが出来なかった……お前の罪悪感が邪魔をしたってとこかな」
違う、彼女の言っていることは全て嘘、出まかせだ。
そう言いたいのに、一期一振が声が出なかった。
全て嘘だ。
けれど、心の奥底で小さな声が聞こえる。
本当に?
嘘をついているのは誰なのか、と。
「けど、お前の望みはそこじゃない……。一期一振、本当は……そんな邪な考えを持つ自分を罰して欲しかったんだろう?」
その言葉に、心が鷲掴みにされたようだった。