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裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第14章 飛空艇 Ⅰ※※


一期一振が身を清めて寝室に戻ると、ゼロは眠っていた。

「あ、あの……ゼロ……様?」

確かに、身を清め終わるまで時間はかかったかもしれない。
けれど、だからといって眠ってしまうのはどうなのだろうか。
一期一振は溜息をつくと、彼女の横に立ち、寝顔を見つめた。

彼女の愛刀はベッド脇に立て掛けられ、いつでも手に取れる位置にはあるが、ゼロは規則正しく寝息を立て、その姿はあまりにも無防備だ。

ゼロは眠っている。
彼女がこのまま目覚めなければ。
もし、このまま夜が明けてしまえば。

一期一振の魂は刀に還る。

それでいい。
誰かを殺すことも、誰かを失うことも、お終いにしてしまいたい。

一期一振はそれを望んでいるはず、なのに。

本当に、それでいいのだろうか。
何故、ゼロを見ていると、こんなにも胸が騒ぐのだろう。

ゼロの顔に手を伸ばし、その頰にそっと触れようとする。
指先が、彼女の頰に触れた瞬間、ピリッと、何か電流のようなものが走ったような気がした。
それと同時に、何かが心をよぎる。

この感覚は何だろう。
そう思った矢先、ゼロの目が開かれ、一期一振を見ていた。

「……っ、ゼロ様っ」

「私が眠っていると思って、残念に思ったか?」

一期一振はカっと顔を朱に染めた。
ゼロはそれを見逃さない。
ゼロは起き上がって彼の襟元を掴むと、グッと引き寄せる。

「還りたいか?命を断ち、全て終わりにしたいか?…………本当に?」

気付けば、一期一振はベッド脇に座らされ、ゼロは彼の目の前に立っていた。
立ち位置が、すっかり逆転していた。
シュッとゼロは髪を結っていたリボンを解くと、一期一振の目を覆う。

「な、何をっ!?」

「お前が望んでいることだよ……一期一振」

ベッド脇に座らせると、ゼロは一期一振の頰を撫でる。
手足を拘束されたわけではなく、本気で抵抗すれば、目隠しを取ってしまうことだって出来る。
けれど、一期一振はそれをしなかった。

「……っ」

頰から唇、そして首筋へと指先がつうっと滑り落ちる。
視覚を封じられているせいで、過敏になっているのだろう。
ゼロが彼の体に触れるたび、一期一振はピクンと体を震わせた。

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