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裏切りの女神R18G【刀剣乱舞×DOD3】

第13章 鉄の処女


「二重人格とか……」

フォウを見下すように、ゼロは彼女に近寄ると、突き刺した刀の柄を握りしめた。

「そんな、都合のいい話がっ」

ゼロがフォウの体から勢いよく刀を抜くと、彼女の腹からはぼたぼたと血が落ち、フォウは凄まじい痛みに顔を歪めながら後ずさる。
苦しむフォウに冷めた眼差しを向けると、ゼロはフォウを斬りつけた。

「あるわけ……っ、ないだろうっ!!」

ゼロに容赦無く斬りつけられるフォウは、血を撒き散らしながら、体をよじらせる。
その姿は、舞を踊っているかのようだった。

「ぐ……ぁ、……」

そして、フォウが膝をついて崩れ落ちると、ついにフォウは息耐えた。
ゼロは愛刀を鞘に納めると、静かに息を吐く。

「…………」

フォウを倒したゼロは、彼女の亡骸を表情一つ変えずに見下ろしていた。
そんなゼロの横顔を、山姥切は複雑な気持ちで見ていた。

フォウはゼロより小柄で幼い顔立ちだったが、それでもゼロと似ていた。
自分によく似た妹を殺す理由が、一体どこにあるのだろう。

審神者の力を独り占めしたい。
それが、本当の理由なのだろうか。
答えの出ない問いが山姥切の心の中で何度も繰り返される。

そして、フォウの亡骸はファイブの時のように、黒煙があがる。
やがて煙となって消え去ると、血溜まりの中心に淡く光る指輪だけが残った。
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