第2章 いつもと違う
彼はニヤリと笑いながら、
「 俺がさっきと同じ手を食うかよ?
はぁ…しんど。」
そう言いながら、私の腕を掴み歩き出した。
たくさんの大人達が行き来しているこの大通りに子供は私達だけ。
何人かは数えてはいなかったけど、怪しげに見てくる人もいれば、チラリとこちらを見るだけの人もいた。
やはり、アカデミーに行っている時間の私達がこんな所を歩いてるのは明らかに変だ。
それに、シカマル君がここにいるということは私同様アカデミーをサボっていることになる。
( 悪いこと、しちゃったなぁ… )
私は、前を歩く彼の背中を見ながら
「 シカマル君、ごめんね。 」
彼の肩がピクッと動いた。
少し振り返りながら彼は、
「 いや、おまえは悪くねぇよ。」
眉尻を下げ、申し訳なさそうにシカマル君は言う。
「 でも、‼︎ 」
突然、掴まれていた腕を引っ張られ、シカマル君との距離が近づいた。
側から見たら抱き合っているように見えるだろう。
彼は小さな声で、
「 後ろ、誰かいる。 走るぞ。 」
そう私の耳元で言うと、彼は走り出した。
シカマル君に手を引かれ、私も走り出した。