第2章 いつもと違う
どれくらい走ったのだろう。
周りを見ると見慣れた道。
「 はぁ〜〜〜〜
ここまで来れば大丈夫だろぉ…。 」
「 そ、そうだね…。」
( 疲れた。足がガクガクする。 )
少し立ち止まって休み、そこから2人で歩き出した。
シカマル君はどこに行くか決めている様で迷わずに歩いている。
( どこに、行くんだろう? )
「 ⁉︎ 」
ここで私は気づいた。
掴まれていただけのはずの腕が、いつの間にか手を繋がれていることに。
一気に熱が顔に集まる。
沸騰寸前のやかんのように湯気が頭から出てきそう。
(え?え? いつから⁉︎ ///)
1人でぐるぐる考えていると、シカマル君はお目当の場所に着いたのか、
「 ここでサボって行こーぜ 。
今から行っても、明日行っても怒られるのは変わらねぇよ。
それに、めんどくせぇし。 」
唇を尖らせながらシカマル君は言う。
はっと周りを見るとどこかの建物の屋上。
そこまで広くはないけど、真ん中にはお茶屋さんにありそうな畳のベンチ。
その上には、とてもおおきなパラソルが差してあった。
畳のベンチは大人2人が横になっても十分な広さで、パラソルもそのベンチを丁度よく日陰にしてくれている。
シカマル君は、私の手を離しまっすぐそのベンチに行くと横になった。
「 あぁ…、気持ちいい。」
目をつぶりそのまま寝てしまいそうだ。
私も一緒に行っていいものかと、立ち止まったまま悩んでいると、
「 おま… 、日和も来いよ。 」
突然、私の名前を呼ばれた。
私は、シカマル君が知っているなんて思わなくて、
「 え? 」
( なんで、知ってるの?? )
私は目立つ生徒ではなくて、むしろ地味な方だと自分でも思っていた。
だから、クラスでも目立つ方のシカマル君が私の事を知っているなんて驚いてしまった。
少しづつ、一歩一歩と近づく。
自分の名前なんて、最初の自己紹介の時以来話した事なかったはず。