第2章 いつもと違う
シカマル君は両腕を顔の上に乗せて顔を隠しながら話し始めた。
「 今日は、その…悪かったな。
俺は、器用じゃねぇし、後先考えずに笑ってよ。
まぁ…その…色々考えて、話そうとしてくれて…たんだろ? 」
「 え?」
シカマル君は起き上がり、私の顔を見ながら
「 日和は…あんまり話さねぇけど、すごく優しい子なんだってイノが言ってたぜ?
さっきだって、あんな顔を赤くして、一生懸命話そうとしてくれてたのに。
あんな言い方は、無かったよな。」
フッと自傷気味に笑う彼はなんだか寂しそうだった。
( そんな顔されたら… 『 うん。そうだよ〜 』なんて言えないじゃない。)
「 私、そこまでいい人じゃないよ。」
そう、彼に言った。
彼はまっすぐな瞳を私に向け
「 ほら、そうやって俺に悪かったって思わせないために言ってくれてるんだろ?
そうやってやるのも大事だけど、話す事も大切だと俺は思う。
日和はもっと周りを頼っていいと思うんだ。
友達だろ?」
ヘヘッと鼻の頭を掻きながら笑う彼。
でも、その瞳はまっすぐで、私の心を見透かしているよう。
私は、シカマル君の横に座った。
「 それは、シカマル君…だからだよ。」
彼の顔を見て、笑みがこぼれながらの言葉だった。
彼の瞳が揺れた。
「 え? 」
なぜか、私の心は穏やかだった。
『 好きです。』 とそう言っている様なものなのに。
2人の間を風が抜ける。
私の髪をなびかせて、揺れる。
その風も暖かくて、心地の良いものだった。
少しでも、彼に近づきたかった。
背伸びしてでも。
私はシカマル君に近づけたかな?
気づいてもらえたかな?
私という人間に。