第8章 大人の階段登った女子って強気になりがちだよね
思わず強く握ると、もっと強く握り返された。
高杉君が体を揺らし、その度に体の中で硬い熱も動く。
従姉妹の嘘つき。
確かに痛いけど、それだけじゃない。
くすぐったみたいな、柔らかくて甘い感覚が確かにある。
高杉君が私の頬を唇で拭いてくれていて、
私は自分が泣いているのに気付いた。
違うの。そんな心配そうな顔をしないで。
悲しいからでも、痛みからでもないの。
ねぇ、なんて言ったらわかるかな。
この気持ちを伝えたいよ。大好きな…。
「…晋助」
私がつぶやいたのと同時に高杉君の動きが止まり、少し遅れてから耳元で、深いため息が聞こえた。