第2章 優しさの意味
13年好きだった想いが
やっと終わるのだ。
涙が溢れていた。
「…なぁ…」
そう言って触ろうとした手を思いっきり払いのけた。
「触らないでよ、気持ち悪い!
優しくしないで!!」
言い放った瞬間、
うわ、ダサすぎ…と感じていた。
優しくしないで、なんて、
昼ドラですら言わない。
涙をポロポロ流して、ゆっくり彼を見つめた。
ずっと、
言いたかった言葉がある。
これだけは死んでも口にしないと誓っていた。
プライドが高い私が言うわけがないセリフだ。
だけど、13年間
いつも心に秘めていた願いだった。
「どうすれば、カカシは
私を女として見てくれるの?」
そう言ったあと、なぜか自然と笑みがこぼれていた。
(終わった。)
ゆっくり
その場を去った。
カカシの優しいところが好きだった。
優しくて、優しくて、笑顔が大好きで。
全部意味はなかった。
カカシはもう、
私を見る事はしない。
もう優しくなんてしない。
どうでもいいんだから。
二度と私に笑いかけてくれることもない。
悲しさが広がり涙が止まらなかった。