第4章 優しい人の部屋
「お茶入れるね。」
そう言って、台所へ歩いて行った。
彼の部屋に入るのは初めてで、
彼の香りがする。
少し頬が赤らめ、ゆっくり息をした。
どの場所を見渡しても、彼を感じてしまうのだ。
優しい大好きなカカシの部屋にいる。涙が出るほど幸せに感じる。
ベッドがある場所まで歩いた。
(これからここで…するのかな)
そう思うと、カーっと顔が一気に真っ赤になり、羞恥心を感じる。口元がほんの少し緩み、口に手を置いて隠していた。
(恥ずかしい…27歳の処女って…)
気配を感じなかった。
油断していたわけではない。
彼が異常に研ぎ澄まし
気配を消していた。
私に絶対気付かれないように
任務を遂行している時のように
黙って見ていた。
彼が私をずっと見ていたことに
気が付かなかった。