第1章 きっかけ
力が本当に入らない。
おかしい。なぜ、今走らないと
行けないのに…
と、思った瞬間、
上の屋根から男性の忍びが
走ってきて
痴漢野郎を一気に捕まえ、気を失わせ、捕まえてきた。
「痴漢野郎ってコイツ?バカなやつだな、大丈夫か?」
そう涼しい顔を向けた彼が
カカシだ。カカシはたまたま通りがかっただけだった。
あの瞬間、ただの同期が
一気にヒーローに格上げされた。
瞬く間にボロボロ涙を流していた。緊張の糸が切れたのだ。
「忍びのくせに何泣いてんだ」と言って呆れていたが、
家に付き添い送ってくれた。
たったそれだけの出来事なのに
私は、そこから13年も彼を愛している。
いまだに私は片想いだ。
告白なんて出来ない。
今年で27歳だ。
早い、早すぎる。
あっという間に30代に突入してしまう。