第3章 告白の後の話
「俺は、本気でツバキが好きだった、結婚する気ぐらい本気だったんだ。」
「それが何?だから?」
(ああ、とにかく早くこの場から離れたい。)
カカシの失恋話に付き合う余裕なんか私には無い。
「そのツバキよりもお前を選んだんだよ。俺がを。
ここまで言っても意味がわからない?」
「………」
何も言えずに黙っていた。
信じられない言葉を彼は
今私に向けて話している。
「俺が一番理解出来てないだよ。
だから、待ってよ、
気持ちが落ち着くまで。」
「…意味分からない…」
「気持ちが追いつかないんだよ。
あまりに溢れてきて…
言葉に出来ないんだ。」
そう言う彼が
恥ずかしそうに目を逸らした。
穴が空くように彼を見てしまう。
「お前の反応を
すごく嬉しく感じてるんだよ、いまも。
すごく可愛いって感じてる。
触れたくて、犯したくておかしくなる。」
カカシが今、
犯したいと言った。
ゾワっと気持ち悪い感情を
察知した。
(気持ち悪い、この人…)
瞬く間に私は、彼から距離を置こうと数歩下がった。
その反応に、「やっぱり引くよねー」と呟いて口に手を置いている。
完全に引く反応を、身体がしている。
思考は抱いて欲しいとか思うのに、そこは処女だからだろう。
知らないということは
恐怖でしかない。
優しい優しい先生のような包容力のあるステキな男性が、
犯したいと犯罪宣言しているのだ。
気持ち悪いと感じる以外
何ものでもない。
目の前にいるこの人が
たまらなく…恐い…
あなた、本当に、私がずっと片想いをしている優しい優しいカカシよね?
一気に逃げ腰になってしまう。
逃げたい感情が一気に吹き出す。
その反応を見越していたのか、
彼は迷うことなく壁に追いやった。