第3章 告白の後の話
「嘘つくなよ。顔に書いてる。には、言ってなかったと思うけど…俺はお前が嘘ついた時、わかるんだよね。」
今、
信じられない言葉が
聞こえた。
ドクンドクン…
一気に心拍が上がり息が詰まる。
見透かされている。
この人は、嘘を見抜く。
ただ黙って聞いていたわけではない。言葉の中の意味を探していたのか。
(ああ、やられた。)
思わず笑って吹き出す感情を堪えながら彼を見た。
「嘘じゃないわ。本当よ。」
「はい、それも嘘。いい加減にしろよ?」
ゆっくり目を瞑り、顔を歪め、溜息が出てしまう。
目線を下にして、床を見つめている。
(いい加減にしてほしいのは私の方だ。)
諦めようとしているのに、
解放してあげようとしているのに、何故この人は引き止めるんだ。
13年も気持ち悪い感情を
向けていた人間から解放されるのよ?
嬉しい気持ちが湧かないのか?
よっぽど、カカシは優しいのだろう。
彼がモテるのはここかと思う。
女が彼をほっておくわけがない。簡単に惚れてしまう。
何の感情も湧かずに彼を
求めれたら、どんなに幸せだろう。
そんな願いを心に秘めながら
彼にもう一度目線を合わせた。
"一度ぶつけてみようか。''
本気でそう思った。