第4章 刹那主義
あの部屋を見て、謙信様の心根に触れてしまった気がする、そのせいだろうか。
やけに感傷的になって困る…
多くを望まなければ、飽きられない限りはきっと楽しく遊んでもらえるんだし。
身の程を弁えろ、自分のキャラの立ち位置を把握しろ、いつも明るく笑って冗談を言って、答えは常にはぐらかして、
だって、出る杭は打たれるものだ――
ぐるぐると、自分の積み重ねてきた歴史に苛まながら。
ぼーっと先を行く謙信様を目で追う…そのまま佐助くんに近づいていくと、また一言二言注意をしたようで。
佐助くんは私の方へぺこり、と頭を下げた。
そして、こちらに小走りで駆け寄ってくる。
「さん、ごめん。
俺の考えが一歩及ばず…謙信様と幸が、先に答えに辿り着いてしまったらしい」
「えぇー!どうせなら勝ちたかったのに!!
…それで?お宝は??」