• テキストサイズ

【イケメン戦国】月の兎は冬に焦がれる

第18章 月の兎は冬に焦がれる







「…特に、理由などない。

強いて言うなら、ただの癖だ」


「せっ…せいへきっ…!!」



思わぬ答えにあんぐりと空いた口が、塞がる前に。
謙信様はさらに言葉を続ける。



「そうだ。

例えば、触れていると段々と朱に染まる背」


「わ、ぁっ」



謙信様が背中に唇を寄せる。
触れるだけの仕草なのに、思わず声が出る。



「感極まると、羽根のように反り立つ肩骨も」
「…っ、ん、」



肩甲骨にかり、と歯を立てられ。
何とか声は我慢したけれど、息が盛れる。




「お前が見えないお前を知っているというのは、気分が良い」






嬉しそうに、そんな風に言われて。
謙信様の顔は見えないのに、微笑んでいるのが想像出来て…


/ 258ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp