第12章 合理主義
「謙信様…もっと、してください」
謙信様は、私の言葉に一瞬驚いた様に目を見開き。
しかし、すぐに我を取り戻したように…
手早く前を寛げると、躊躇いなく突き立てた。
「きやあぁっ…!!」
ぐにぐにとしつこく解されていたとはいえ、流石に突然はキツい。
ぎちぎちと音を立てそうな程、軋むような感覚に身を震わせる。
自由になった手で、枕元の布を思い切り掴み、波が引くのを待つ…
謙信様は、そこで一息つくように、自分の前髪と…
そして私の額に汗で貼り付いた、前髪をかき分けた。
今までの猟奇的な流れが、まるで嘘だったみたいに。
もう、その手の温かさだけでどうしようもなく泣けてくる…それどころか。
こんなに酷くしておきながら、大丈夫か、なんて小さく尋ねてくるのだ。
どうして泣かずにいられるだろう?
やっぱり好きだ、好きです、貴方の事が…
気持ちが声じゃなく、涙になって溢れてくる──