第13章 心配【降谷夢/リクエスト小説】
「ああ、感じてしまってるのか?…ただ教えているだけなのに?」
マウスに置いた手を、零が人指し指でなぞる。
くちゅっ、と耳朶を舌で舐めて…唇で甘噛みされる。
「あっ…」
どうもこうもない。
思わず、声が出た。
…零の声が、脳に響く。内容は仕事の話のはずなのに、全く頭に入ってこない。
「れ、い…」
「…今は仕事中だろ?それに」
聞き分けのない部下はお前だと…耳朶に歯を立てられて。
「ンぁっ…!」
モニター画面が、いつのまにか待機状態で。
真っ暗な画面に映る自分の顔。
それはもう、仕事中の表情じゃなくて…抱かれている時の顔。
零はその画面越しに目を合わせて。
「濡れた顔」
「…して、ない…っ」
「自分の顔をしっかりと見ろ」
何が欲しい、と…囁いてくる。
何が?
何が…
違うんだ。
流されちゃいけない。
嫌だ。
嫌だ。
「涙目」
背後から顔を覗かせて、舌先で瞼を舐められる。
それだけで体がビクッと震えた。
「抱かれたくて仕様がないって顔」
してない、そう訴えたくて首を横に振る。
背もたれが、邪魔だとさえ思った。
私を唯一守ってくれる零との壁なのに。
零の温もりに触れたいと思う自分が、何よりも…嫌で。
流されちゃいけない。
流されたくない。
だって私だって怒っているのだ。
零が危ないことばかりするから。
「全身鳥肌が立って…」
零が耳元で囁きながら、指先で右腕をなぞる。
左手が内腿に添えられて…なにが、もう…なんだかわからない。
「なぁ、俺が怒っている理由わかるか」
「っ…じゃあ、私が怒っている理由は分かってるよね…っ」
「怒っている?…その顔で?」
嘘つき、と言われて。
掠めるように胸の突起に指が当たる。
びくんっ、と体が痙攣するように背筋が伸びる。
「本当にイヤらしい体になったよな」
触っていないのに、と揶揄される胸の突起。
シャツの上からでもわかる。
ブラだって着けているのに。
勃起した胸の突起が、触ってほしいと零の指を求めてる。
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