第10章 二度目の初夜/警察学校組【降谷贔屓オール夢】
もう一度行為が終わって、軽くシャワーを浴びてホテルを出た。
ヒロくんとの連絡から1時間以上開いてしまった。
「もしもしヒロくん?ごめん、ちょっとトラブルあって」
『お疲れ、〇〇。そのトラブル元凶に伝えて。駅前の焼肉屋にいるって』
「は?それって結構良い店じゃ」
歩きながら話してるから、零にも聞こえるようにスピーカーにして通話をする。
『巻き込まれた挙句に心配していた俺たちを放っておいて一晩好き勝手に〇〇を満喫したんだろ?その上さっきまで』
「っ…ひ、ヒロくん…!」
「それのなにが悪い」
『〇〇、…早く顔が見たい』
「………ヒロ、お前〇〇に近づくの禁止」
『それは〇〇が決めること』
「は?」
「零っ!ばか!…ヒロくん、ごめんね!すぐ行くね」
また後で、と電話を切って零は不機嫌顔を隠さない。
…だから、可愛いなって思う。
「…れーい」
背伸びをしても届かないから、胸ぐらを捕まえるように引っ張って口付ける。
「たくさんシたのに、まだ…不安?」
「…はぁ…分かった、ごめん」
小さな溜息に続く謝罪。
「ただ、〇〇もヒロに対して…そんな可愛い顔するな」
「…零、それ絶対贔屓目」
「今度鏡見てみるか?」
鏡、と言われて…さっきまでの行為をぶわっ、と思い出して赤面。
零もそのつもりで言ってなかったせいで、笑いのツボに入ってしまって。
「〇〇、ほんっと可愛いな」
「うるさいうるさいうるさい!!」
タクシーを呼べば良いのに、駅まで歩くのは…少しだけまだ二人きりでいたいから。
焼肉屋に着いて、店内に入れば座敷に座る4名の男。
…空のお皿がてんこ盛り。
「ごめん、遅くなって」
「待たせたな」
「「「「〇〇、お疲れ」」」」
その労いの言葉がさっきまで行為を指してることに気づくまでにはそんなに時間はかからなかった。…主に松田さんと萩原さんがニヤニヤしてたから。
「降谷、ここの会計全部お前持ち」
「いや、随分食べてるだろ」
「まだ頼んでるよ。〇〇、何飲む?昼は食べた?」
松田さんと萩原さんに零が引っ張られて挟まれて。
ヒロくんと伊達さんの間に私が座る。
…零と向き合うような席に、少しだけお互い視線で照れ笑い。
「ふっざけんな」
松田さんが零を羽交い締めにした。
→