第10章 二度目の初夜/警察学校組【降谷贔屓オール夢】
「あ、真っ赤」
「…ヒロくん、からかわないでよ」
「冗談のつもりはないけど?」
お願い、と額をくっつけられてヒロくんの顔が近くて、でも…その気持ちは本当に嬉しくてヒロくんの服を握った。
「邪魔なんだけど」
校内でなにしてるんだって、冷たい声。
「零…っ」
「よかったな、初恋叶って」
よかった?なにが?
なんで、ヒロくんが初恋って知ってるの。
「零…っ、待って」
「触るな」
話がしたい、と零の手を掴もうとしたら…振り払われて。
「話すこと、ないから」
「…なんで」
涙が、自然と溢れていて。悲しくて。
ヒロくんが私の目元を片手で覆いながら、腕を引いてヒロくんの腕の中に納まる。
「降谷、いいんだな」
「…勝手にしたらいい」
わかった、とヒロくんが口を手で塞いで…壁に体を押し付けてきて少しだけ背中が痛い。目を開けると顔が近くて。
「んぅっ…!!」
苦しい、と訴えれば小さく笑われて。
…でも、これ…キスしてるみたいに、見えるんじゃと思えば恥ずかしさで大人しくなる。
体が離れて零がいたところを見れば零がいなくて。
「なんで、零のこと煽るの」
「さすがに分かったか」
〇〇のこと泣かせたから、と頭を撫でられて。
「でも、大丈夫だよ。あいつの顔、見たら自信に変わった」
「…どういう意味?」
「〇〇は、〇〇の不安を俺に話したら、降谷に連絡してやって」
多分あいつ、寮にいないかもだしと言われて。
「零、どこか行ったの?」
「寮にいるかはあとで松田たちに聞いておくよ」
「…松田さんと零、喧嘩した?」
「ああ、昨日ちょっとな」
私のせいだ。
「〇〇、話すのは図書館と喫茶店どっちがいい?」
「…零を、追いかけたい」
「ふっ、そっか」
わかった、と言われて。
「俺も行こうか?」
「大丈夫……ヒロくんといると、勇気もらえる」
大好きな人。
私の、特別な人。
特別な友人。
「なにかあったら連絡して。それから、帰ってこないときも必ず」
「帰って、くるよ?」
「〇〇、俺からのお願い」
降谷にこれ以上我慢させないで、と言われて。
…それは
「すぐ真っ赤になる」
「…だって、…」
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