第10章 二度目の初夜/警察学校組【降谷贔屓オール夢】
「確かに降谷はモテるし、前もモテてたんだろうけど。〇〇だから、シたいんだろうし」
「そう、かな」
「降谷のこと、信じられない?」
萩原さんの言葉に首を横に振る。
「自信が、ない」
「あんなに愛されてるのに?」
「…贅沢だよね」
自分の悩みが贅沢な悩みだと、自覚している。
「…どうしたら、〇〇は自信もてる?」
経験なら俺と練習する?って、萩原さんが言って。
「練習?」
「確かめてみる?」
こんな風に、って物陰に隠れる場所で抱きしめてきて…驚いて見上げる。
「萩原さん?」
「…降谷に少し同情する」
「んっ…や、なに…っ?」
胸元のボタンを、いくつか外されて。
「すっごい鳥肌」
「…萩原さん?」
可愛いと言われて、露出した胸元に萩原さんが吸い付いてくる。
嫌だ、と萩原さんの肩を押すのに…離れない。
「萩原さんっ!!」
「…あー、ごめん。ごめんな?」
胸元を隠しながら萩原さんの視線から俯いて。
「でも、…降谷にはもう我慢させたくないからさ」
俺も我慢できなかったんだけど、と言われて。
「〇〇、好きだよ」
額にキスをされて…言葉が理解できなくて。
「降谷の隣で笑ってる〇〇が好きだよ」
「…零の、隣にいたい」
「そうそう、それで良い」
萩原さんが胸元のボタンを留める。
「〇〇、降谷がもし乱暴に抱いても、受け止めて欲しい」
「乱暴に…?痛い…?」
「痛いかも」
「…怖いのは、やだな」
「余裕のある振りしてる降谷の限界だから、それ」
行こう、と手を引かれてコンビニまでご機嫌な萩原さんに少し笑ってしまう。
零の隣にいる私が好きだと、言ってもらえるのは嬉しかった。
「萩原さん、零を…私から誘ったら、嫌がらないかな」
「喜ぶと思うよ」
…零のこと、拒んでばかりで…拒まれる側の気持ちを、ちゃんと考えてなかった。
だから…
「頑張って、みる」
「頑張れ」
これプレゼント、と紙袋に入ったコンビニ袋。
「帰ったら開けて」
「…うん、ありがとう」
人数分のアイスと、飲み物をカゴに入れて。
私が払うつもりだったのに、結果萩原さんが支払っていて。
「ありがとう」
「どういたしまして」
萩原さんと寮に戻って、また明日と言って別れる。
部屋のベッドで紙袋を開けば、コンドームの箱だった。
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