第1章 初夜/降谷【警察学校時代】※裏
会話が、弾まなかった。手を繋いで電車に揺られて。
緊張が伝わって。
目が合って、触れるだけのキスをした。
温泉街。
目の前に広がる湯畑に興奮して写真を撮って、湯畑前の旅館にチェックインして荷物を置いた。
零が背中から抱きしめて…振り返るように見上げればキスをしてきた。
舌先が唇を舐めて…驚いて唇が少し開けば歯列を舌が…なぞる。
「零…っ、待って待って…!」
「…なに」
明らかに不満そう睨んでくるのは逃げるように距離を置いた私のせい。
「歯磨き…してから、が良い」
「は…?」
もういい、と楽しそうに笑われて。
「ほんと、〇〇には敵わないよ」
髪をくしゃくしゃに撫でられながら抱きしめられて。
額にキスされた。
旅館で用意された浴衣に着替え、外に出た。
慣れない下駄に手を繋いで、たまに躓いて支えられながら笑われて。
「すごいねー!川から湯気がでてる」
初めてきた温泉街に、興奮してたし、零と二人きりのこれからくる夜を考えると緊張もした。
温泉饅頭を買って食べ歩き、温泉卵が美味しくて。
自然も豊かで心地よい。
「零…連れてきてくれて、ありがと」
「礼はいらない」
手を繋いでキスをして
「部屋にも露天風呂あるから…戻らないか?」
陽が落ちてきた頃。
旅館の食事を用意されるから…と言葉を付け加えて。
その言葉に頷いて、旅館に着けば食事を部屋に運ばれて。
せっかくだからとお酒を飲んだ。
お風呂でお酒を飲むのに憧れがある、と言ったのは私。
テレビでよく見かけたことがあるそういうのに憧れが少しだけ合ったのは大人に憧れる子供のようなもの。
食事を片付けられる際に、旅館の人に確認をしお酒を追加で頼んで…
何故か、一緒に湯船に浸かっていた。
バスタオルを体に巻いて。
「…零…あ、の…やっぱ後で入るっ」
「却下」
腰を掴まれて、引き寄せられて…
「恥ずかしい、よ」
「綺麗だよ」
肩に口付ける零の唇が…
「っ…れい…ほんと、だめ…」
「あれもいや、これも嫌…そろそろ俺も限界」
グッ、と当てられたのは…零の下半身の…昂ぶる熱。
「責任、とって」
残り少ないお酒を煽り、口移しで…飲まされる。
抱き上げられて体を隠していたバスタオルが湯船に浮いて…足先をお湯につけ、冷たい石がお尻に当たる。膝を割るように開かれて…零の息が、そこにかかる。
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