第10章 二度目の初夜/警察学校組【降谷贔屓オール夢】
○水曜日
昨日倒れたこともあって、今日は特別メニューじゃなくて通常メニューだった。
…いや、通常メニューも十分キツイんだけど。
そのおかげで、少し早めに終わって図書室で自習をしようと言う話になった。
図書室で課題のレポートを広げて。
私の目の前に松田さん、隣に零、ヒロくん。
松田さんの隣に萩原さん、伊達さんが座って。
「そういえば、お前ら昨日出かけてただろ」
静かに進んでいたのに、零が突然口を開いた。
「…松田さん」
「何も言ってない」
「松田の持ち物が増えてたし」
そんなのチェックしてるの、と思って松田さんを睨めば肩を竦められた。
「どこ行ってた」
「…ヒロくん、零が怖い」
「まぁまぁ、〇〇も疲れてたから気分転換できてよかったよな」
「倒れた後に遊びに行った理由は?」
「俺が連れ回したんだよ、悪い」
零が手を止めて、私と松田さんを交互に見て。
「…零、…ごめんなさい」
「何か悪いことしたのか」
「降谷が怖い顔してるからだろ」
「降谷、落ち着けって」
「落ち着いてる」
もういい、と立ち上がったのは松田さんで。
「帰るぞ」
私の腕を掴んで立ち上がらされて。
「っ、松田さん待って…!」
「昨日のように呼べよ、陣平って」
「どういうことだ」
零が私の片方の手を掴まれて。
「二人とも痛いっ!」
「あー、もう。いい加減にしろ」
伊達さんが零を、萩原さんが松田さんを、押さえて。
ヒロくんが私を抱き寄せた。
「…〇〇、帰り道話聞くから帰ろう?」
「っ…帰る」
ヒロくんの優しい声音に安心感を覚えて頷いた。
「泣くなよ」
帰り道、気づけば涙が出てて。
ヒロくんが寄り道しようと言って公園に立ち寄った。
「…〇〇は昨日、松田と何してた?」
ブランコに座りながら、ヒロくんが優しく問いかける。
「お買い物、かな……気分転換に、付き合ってくれたんだと思う」
「そっか」
「…零が、…エッチ、したがってて」
「げほ、げほっ、…待って…話が飛んだ」
順を追って、と言われて…ブランコに揺られながら。
「…零がね、…エッチしたそうなの」
「〇〇は、嫌なのか?」
「嫌じゃない!でも、…すごく、恥ずかしかったから…」
「それは言ったのか?」
「言ってない…」
そっか、とヒロくんが小さく笑って。
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